とある日の診療で

先日、漢方の診療を希望されていらっしゃった方がありました。漢方の診療を求めていらっしゃる方としては、しばしば話題にのぼる、慢性的な皮膚炎でお困りだということでした。
皮膚科にもかかっておられて、塗り薬を出していただいているそうですが、もう一息、なにか良くなる手立てはないだろうか…?ということで、漢方の相談にいらしてくださいました。

慢性の皮膚炎、って、病態としては、やっぱり「熱」が片付かないから、ですよねえ…って話をしていました。

熱の話は以前ブログで書いています。

「熱」の話

今日は「熱」の話をしてみることにします。「熱」といっても、いわゆる風邪や感染症による「発熱」ではなくて、漢方的な「熱」の話です。 更年期になってくると、どうして…

いろいろ考え事が多い方でしたが、頭が常に稼働している状態が続いておられるので、頭で熱が発生していること。これをどこかで逃がす方法としては、女性の月経や、あるいは鼻血みたいな方法があるのだけれど、他に、皮膚から熱を出す時に、皮膚炎とかじんましんみたいな症状が出ることをお伝えしました。

そして、頭の熱が逃げないと、困ったことに、上手に眠れません。眠れないと、食物から漢方的な「血」を作るのが足りなくなりますから、いわゆる血虚になり、これも身体や頭の熱を増悪させる要素になります。

ストレスも、熱をつくるのでしょうか。じんましんが出る方の場合だと、やっぱりストレスが強い方も結構いらっしゃいます。

そもそもの頭から発生している熱ですが、やっぱり頭の負荷がけっこう大きいわけですから、「未完了の完了」をやっていただくのもとっても大事です。できたら、その日の悩みごと、考え事を夕方に書き出していただいて、頭を軽くしましょう、っていうことで、眠れない方向けの方法をお伝えしたところです。

「眠れない」悩みへのひとつのご提案

不眠症のことについては以前もブログでも取り上げたことがあります。 寝入りづらいとか、眠りが浅いとか、夜間によく起きるとか、あるいは早朝に目がさめてしまうとか。い…

そして、漢方薬として、熱を冷ます「清熱剤」という分類の処方を内服していただくことにしました。これで症状改善につながってくだされば、本当に嬉しいところです。

にしむら漢方内科クリニックは、老若男女の不調について、ひとまずは「一緒に考えてみましょうか」という姿勢でおりますので、いちど、ご相談くださいませ。

もちろん、どんな病気でも治ります、とは決して言えません。できることはできる、できないことはできない、という姿勢は変わりませんが、その中で、ご提案できることが意外とあったりします。

まあ、いちばんは、医者には用事が無い、っていう日々が続くこと、なんですけれど。