頑張りが足りない、と感じているあなたへ

臨床で、いらっしゃった方とお話をしていると、とても印象的なことがしばしばあります。

月経前症候群(PMS)の症状が強い方との会話で、しばしばあるのが

院長(にしむら)

PMSになっておられる方って、頑張り屋さんが多いんですよ

患者さん

ええ?そうなんですか?わたしなんてとても…

っていう反応です。

本当に判で捺したかのように、同じような否定の表現をされる方が続いたことがありました。

頑張りが足りない、と感じておられる、そんな方がやっぱり結構いらっしゃる、のかもしれません。

「頑張りが足りない」って感じておられるとして、それを感じているのは、確かに「あなた」なんですけれど、それでも、様々な不調が身体には蓄積しているわけで、これは、身体としては「精一杯頑張ってきた」っていうことの証拠だったりします。「今まで精一杯頑張ってきた身体」だって、「あなた」なわけです。

そういう「あなた」を否定してしまうことで、あなたが、自分自身を傷つけてしまう、ということになってしまうのは、それはわたしにとっても悲しい出来事です。

頑張りが足りない、と考えているあなたの部分を「あたま」と呼びましょう。精一杯頑張ってきて、ヘトヘトになっている、あなたの部分を「からだ」と呼ぶことにしてみましょう。

ひょっとすると、あなたの「こころ」の部分も「頑張りが足りない」と感じているのかもしれませんけれど、まあそこはひとまずおいておきます。

「あたま」と「からだ」の関係は、ひょっとすると、騎手と馬の関係に似ているのかもしれません。馬がくたびれて、もう一歩も進めない、ってなったときに、騎手は、馬をいたわるのが良いのか、それともさらに鞭をふりかざして、拍車をかける方が良いのか。これも、時と場合によって、適切な対処方法というのが違うのでしょう。

とはいえ、あなたの「あたま」と「からだ」は、それぞれ、相手を換えることができない、一蓮托生の関係です。ですので、あまり無理を強いるのはお薦めできません。

できることなら、上手に「からだ」をなだめすかして、長い道のりを歩めるようなペース配分をしていただく方が良いのではないか、とわたしは考えています。