「眠れない」悩みへのひとつのご提案

不眠症のことについては以前もブログでも取り上げたことがあります。

睡眠障害…あるいは不眠症のこと

健康診断の仕事をいろいろお引き受けしていると、けっこう「眠れない」っておっしゃる方がいらっしゃいます。 眠れない、っていうのを、ざっと、「睡眠障害」とか「不眠症…

寝入りづらいとか、眠りが浅いとか、夜間によく起きるとか、あるいは早朝に目がさめてしまうとか。
いろいろ悩みはありますし、国際的な統計をみると、日本人の睡眠時間がそもそも、とっても短い、っていうことがわかります。

特に子育て中の主婦の方。「朝早くに起きて、子どものお弁当を作らなければいけないから…」っていう事情がとっても多い…のにもかかわらず、やっぱり夜は夜でいろいろ用事があったり、何かを待っていなければならなかったり、で就寝時刻も遅くなっておられたり。
通勤や通学に時間がかかる、というのと重なって、本当に朝が早くて、夜も遅い、みたいな生活をされている方も少なくないようで、本当に大変なことと思います。

入眠困難な方には、睡眠導入剤を使っていただくこともありますが、そもそも眠れる時間が無い、という方も結構いらっしゃいます。「そもそも家にいる時間が7時間とちょっとなのに、そのうち7時間を睡眠にあててください、って言われても、ねえ」っていわれたことがありました。そうですよねえ。

とはいえ、眠る時間があるのに、眠れない方がいらっしゃるのも事実です。
そういう方に向けて「未完了の完了」という方法をお薦めしたいと思います。

脳は、意外なことに、物事の切り換えが苦手なのだそうです。なので、いろいろ考え事をしていると、それが終わってからも、余韻をひっぱるらしいのです。

パソコンの電源を切ろうと思ったところで「プログラムの実行中なので、シャットダウンはできません」というエラーメッセージが出ることがありますが、そういう感じで、眠っている間も、頭の中で考え事をされている方がけっこういらっしゃいます。

頭は考え事で使うほどに熱を発生させて、熱くなりますが、入眠するには、ある程度頭の温度が下がっている必要があるんだそうです。赤ちゃんが眠る前に手足が温かくなるのは、ここから放熱しているから、らしいですので、大人も似たような話になるのでしょう。

ところが、ストレスがあって、とかっていうと、手足はどちらかというと冷えやすいですし、頭は考え事で熱を作り続ける、となると熱の逃げ場がなくなります。

なので、脳みそに「ほら、ここでいったん区切りをつけて!」ということを言い聞かせる必要があります。
なので、夕方に、「明日の私に申し送り」を書いていただきます。

明日は、別人の私が来ると思っていただいて、その人宛に、明日やってもらうこと、あるいは今日の悩みごとも一緒にぶん投げてしまってもらったら良いのですが、そういう課題を全部、書き出していただきます。そうすると、脳も「これでひとまず、書き出したから、一段落ついた」って思えますし、明日日付なら、明日まで、あるいはもうちょっと先日付をつけて、そこまでは考えなくて良い、っていう認識で、先送りができるようになります。

本当はこの「完了していないものを書き出して、かつ、完了させる段取りをする」ところまでが「未完了の完了」の作業らしいのですが、この「書き出す」という仕事だけで、頭が軽くなります。

騙されたと思って、一度試していただきたいものです。