どちらを食べる?

小学校の家庭科の授業では「新鮮なたまごの見分け方」というのを習いました。
ゆで卵は台の上で回すときれいにまわるけれど、生卵はまわらない、とか、そういう話に加えて、なんだったか、光にかざしてみてどうだとか、卵を割ったときの白身が二段に盛り上がっているのが新鮮なのだとか。
伝え聞いた…のだったか、どこかで読んだ話だったのか、記憶が定かではありませんが、そんな「たまごの見分け方」の問題が、家庭科の授業で出題されたのだそうです。
その質問は「どちらを食べますか?」という訊き方だったのだそうです。
ひょっとしたら、割った卵の絵が2つ並んでいたのかもしれません。すでに割ってしまった卵ふたつ、どちらを?って訊かれても困る。
そして「古い方を食べる」と答えたお子さんが「バツ」をもらった、という話になっていたのでした。
マルとかバツとか、っていう話もまあ、いろいろと問題がありそうなのですけれど、そもそも両方とも卵を割っておいて、「どちらを食べますか?」っていう質問もちょっとどうかと思います。
もうひとつどうかと思うのは、「新しい方を選んで食べましょう」って話になるなら、ここに比較で並べられた、古い卵(しかも割った状態)をどうしますか?ってことになりそうです。
どうするのでしょう?
新しいか古いか、ということの知識があるか、ないか、ということを確認するなら、やっぱりちゃんと「どちらが新鮮なたまごでしょうか?」という質問にせねばなりません。
もしも割る前だったり、あるいは購入する前の卵だった時には、「新鮮なたまごを選んで購入する」のが正解かどうか、っていう話があります。
そういえば、最近は「ちゃんと手前の賞味期限が短いものから購入しましょう」っていう注意書きが店先に書いてありますよねえ。「てまえどり」って。
古いものから、順番に消費してゆく、というのが良さそうに思うのですが、古すぎていたんでいるもの、では具合がわるいわけですし、難しい話なのかもしれません。
そういえば、イギリスはメシマズだ、という話の理由が、産業革命時代に、家庭料理の伝統が途絶えてしまったからだ、という話を聞いたことがあります。
フィッシュ&チップス、というイギリスの「伝統料理」があるのですが、これは低温の油で揚げるのが「ただしい」作り方なんだそうです。その心は…ちゃんと中までしっかり加熱しておけばお腹壊す危険性が下るでしょ、ということみたいですね。なので、カラリ!パリッ!と揚がっているフィッシュ&チップスは「ニセモノ」ってことになります。だんぜんニセモノの方が美味しいので、そちらがお薦めですけれど。
現代日本も、産業革命前後のイギリスみたいに、家庭料理が維持できなくなってきているようにも見受けられます。まあ、台湾なんかは朝から屋台で食べるそうですし、冷たいご飯を食べるのはよほどの場面でしかない?そうなので、普段の食事が外食、という構造のようですから、そういう形になる、というのも一つの選択肢なのでしょうが…そうすると日本の場合は衛生管理が厳しくて、コスト高になるのでしょうねえ…。いろいろと難しい話になってしまいそうです。