バイアス
バイアスっていうと、わたしの中では、「バイアステープ」ってのがいちばん最初に思い浮かぶ言葉なのです。あれ、なにかの「クセをつける」テープだったのかしらねえ…?と思って、辞書を調べてみて、びっくり。
バイアステープ bias tape
布目に対して斜めに裁った洋裁用のテープ。縫い代の始末・縁どりなどに用いる。バイアス。
となってます。斜めに切った…?えええ?どういうこと?ちょっとインターネットで調べてみますと…
バイアステープの性質や使用法についてご案内します。
・バイアスは英語で「斜め」を意味します。布の織り目に対し、斜め45°に裁った布がバイアス布です。
・バイアス布を細くテープ状に切って、使いやすいように折ったり、芯をいれたりして加工したのがバイアステープです。衣服や小物などの裾上げやふちを縫いとるために用いられます。
・布目に沿って裁断した縦地や横地の布と違う点は、伸縮自在であること。カーブや凹凸に沿うので、なだらかなラインが出せます。
・衣服の裾上げ、ふちどり、見返しがわりなど、カーブした部分に使えば最大限に効果を発揮してくれます。
なるほど。裾とか、縁取りに使う…という雰囲気だけは覚えていたのですが、わざわざ、それで「形をつける」という意味ではなかったみたいですねえ。
むしろ、「斜めにカットしてあるから、伸縮自在」みたいなところがポイントだったようです。勉強になりました。
この「斜め」ってのが、つまり「まっすぐではない」という意味に用いられると、「偏った」という表現にもなります。
心理学の世界でも「バイアス」っていう単語をちょこちょこ使います。「認知バイアス」とか「正常バイアス」あるいは「記憶バイアス」みたいな表現が多いでしょうか。
英語では「偏見」とか「先入観」というような意味が強いのでしょうか。
バイアス bias
① 布目に対して,斜めに裁つこと。バイヤス。「布地を―に取る」
② バイアス-テープの略。
③ トランジスタなどを作動させるために加える電圧。
④ 考え方や意見に偏りを生じさせるもの。「発言に―がかかる」
ちゃんと、バイアステープが二つ目にはいってきていますから、わたしの「偏り」もあながち見当違いではなかったのかもしれません…。
ずいぶんと昔の話ですが、小学校時代に、ときどき、授業中に火災報知器が鳴ることがありました。
ほんらいであれば、報知器が鳴っているのですから、早めに避難の準備をせねばならない、というのが、避難訓練の時に言われる言葉です。
が、誰ひとり、動こうとはせずに、そのまま授業が進みました。
なぜなら、今までにも、似たような火災報知器の誤報が多く、「またか」という認識になっていたから、なのだと思います。このあたり「正常性バイアス」とか「正常バイアス」と呼ばれる現象が起こっているのでしょう。加えて「オオカミ少年の嘘」に近くなっている気もします。
先日、地下鉄に乗ろうと、ホームに降りていったら「火災発生」というアナウンスが流れていました。珍しい表示でしたので、カメラを持ち出したのでした。

本当に火災発生だったら、危ないところですよねえ…結局こちらも「誤報」であったようで、結果オーライだったのですが、あまり誰も慌てておられませんでした。
そういえば、御嶽山が噴火したときにも、身の安全を確保するよりも前に、カメラを構えた方があった、と聞きます。
その一瞬の差が積み重なって、生死を分けたりもしていた、と聞きますから、本当に気をつけたいところです。











