ヘリコプター

カタカナの言葉、って英語圏で作られたものもけっこう多いのですが、新しい単語って、古い単語の組み合わせなどで出来ていることも多いらしいです。

レンズ、って言葉は「レンズ豆」に似ている、っていうことで出来たらしいですし。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%A1

レンズの語源になったレンズ豆。Wikipediaよりお借りしました。

レンズに似ている豆だからレンズ豆…ではないんですってねえ。

ヘリコプター、という乗り物があります。空を飛ぶやつですが、これ、「ヘリ」と「コプター」だと思っていたんです。わたしは。勝手に。

なにしろ、日本では「タケコプター」っていう秘密道具が有名です。あれは、竹とんぼとヘリコプターの造語ですから、「タケ」と「コプター」にわかれる言葉のはずです。だったら、ヘリコプターも「ヘリ」と「コプター」だと思うじゃないですか。ねえ。

正しい分解場所は「ヘリコ」と「プター」なんですって。

なんですって!?「プター」って何よ…?ってなりません?なりますよねえ。
わたしはなりました。ええ。
プターって何だよ。ギターじゃねえんだぞ。豚でもねえんだぞ。

そういえば、『天空の城ラピュタ』には、はばたくデザインのひとり乗りの航空機がありましたっけ。あれの名前が「フラップター」らしいです。「フラップ+プター」なんですかねえ。

https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%BF%E3%83%BC

この「プター」ってのを名前にした恐竜がいるんですけれど、お気づきですか?

…そうです。プテラノドンですね。翼竜とも呼ばれますが、これがこの「プター」と語源を同じくしているわけです。つまり「はばたく系の恐竜」って名前。

なにか、パタパタしているのを「はばたく」っていう言葉にしたのが「プター」らしいです。パタパタの音をそのまま言葉にした…かどうかは調べていませんので分かりませんが、意外とパタパタから来ているのかもしれません。いや、ヨーロッパの方々が「パタパタ」って言っているのは見たことありませんけれど。

で、ヘリコ、ってのは「らせん」です。らせん構造のこと、ヘリックス、とか言いますが、その語源みたいです。

らせん状の、はばたき飛行機が、なので、ヘリコプターだ、っていうことになっています。

https://www.tsm.toyama.toyama.jp/file_upload/100577/_main/100577_02.pdf よりお借りしました。ダ・ビンチのヘリコプター。

医学系の話題を出してくると、「ヘリコバクター」っていうのがいます。最近はわざわざ正式名称を出してこないのでH.ピロリ、って呼ばれる、アレが「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。胃潰瘍の原因になっているとされる、この細菌、らせん状の形態をとるということで名前がついたのだそうです。

胃の粘膜は塩酸で強い酸性の状態になっている場所です。そんな場所で、普通の細菌は生きられません。まさか、これが胃潰瘍の原因だったなんて…みたいな話があります。

なんというか、これを主張したオーストラリアの先生、その後、この発見でノーベル賞をとるのですが、その証明に、培養したピロリ菌を飲みました。

https://www.pylori-story.jp/pylori/pylori/discover

え。馬鹿でしょ。って思いました。

胃潰瘍になるのがわかっていて(わかっていない)ピロリ菌を飲むのも馬鹿だと思います。万一、胃潰瘍にならなかったら、それはそれで「胃潰瘍になる!」って言ってた自分が格好悪い、っていうくらいには馬鹿っぽいし。

でも、これで証明できてしまったんですよねえ…。すごいですよねえ。ノーベル賞とってしまうわけですから。

グルグル、らせんの形をしている微生物、っていうと、産婦人科領域では「スピロヘータ」っていうのが、わりと馴染みがあります。梅毒の病原体として知られていますが、このスピロヘータ、っていうのは、巻き髪を意味する言葉が語源なのだそうです。知らなかった…。

巻き髪って、少女漫画に出てくる縦巻きドリルみたいなものなんでしょうかしら…?コイルですよねえ。コイルとからせんで良いんじゃないか、とも思うのですが…。まあ命名された方の思い入れみたいなものがあったのかもしれません。

もうちょっと調べてみたらありました。

細菌の形態には、球型のもの(球菌)や棒状のもの(桿菌)の他に、桿菌と同様に細長い菌体がらせん形になったものが存在し、これらはらせん菌と総称される。 らせん菌はその回転数から、(1) 回転数が1回程度のもの、(2) 2 - 3回のもの、(3)5回以上( - 数百回)のものに区別される。1に該当するものにはコレラ菌などのビブリオ属が、2に該当するものにはスピリルム、カンピロバクター、ヘリコバクターが挙げられ、3に該当する細くて回転数の多いものが俗にスピロヘータと総称される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%98%E3%83%BC%E3%82%BF%E9%96%80

なるほど。グルグルの巻き回数が違うと、名称が変わるんですね。

と、ここまで長々と書いてきましたが…今日のブログには、あまり深い意味はありません。単純に「ヘリコプター」って「ヘリ・コプター」じゃなくて「ヘリコ・プター」だった、っていう話でした。