優先順位

ひとが生きていると「やらなければならないこと」とか「やったほうがよいこと」というタスクが結構な割合で訪ねてきます。面倒くさいですが、これらのタスクをこなしてゆく必要があります。

ところで、こうしたタスク的なものは4種類に分類することができます。

一番重要なものは「急いで対応しなければならない」かつ「重要な」タスク。

これから目を逸らすわけにはいきません。なんとか頑張って対処が必要になります。

忘れないけれど、毎日の中でちょこちょこやってきては、時間を奪っていくものが、「急いで対応しなければならない」かつ「それほど重要じゃない」タスク。こういうものに忙殺されると、あっという間に一日が過ぎてしまいます。

まあ、そのうち…と言って、忘れてしまっても問題はなさそうなのが「急がない」かつ「重要じゃない」タスク。そんなの放置していても良いじゃないですか…そもそもどうしてタスクに挙げられているんでしょう?って思ったりすることもあります。

ところで。

こういう分類の仕方をすると、どうしても2かける2のマトリックス的に整理することが多いわけですが、もうひとつ残っているマスの部分にくるタスクのこと、もうおわかりでしょうか?

「急がない」かつ「重要な」タスク。

これが、日々、忘れられがちです。

日々の対応の中に、うまいこと組み込めると良いのですが、なかなかそうじゃないこともしばしばで、後回しになってしまいがちです。

これは、自分のために、自分の時間を確保せねばなりません。

将来のためには、とても重要な時間です。

ぜひ、この部分についての時間を確保していただきたいところです。

ところで。

じゃあ、「急がない」かつ「重要な」タスクをこなすために、睡眠時間を削って…というのは、それはそれで、問題があります。

「じゅうぶんな睡眠を取る」というのは「急ぎの」そして「重要な」タスクですので、くれぐれもお忘れなく。

さて。結婚というのは、価値観の異なる他人との共同生活をはじめる、ということになります。出来ることなら、今日言及した「優先順位」が一致するひとの方が、生活は穏やかに過ごせるのではないか、と思います。

そういえば、『逃げるは恥だが役に立つ』というマンガの中で、主人公の叔母である「ゆりちゃん」アラフィフ独身、が、シングルファーザーの男性と良い雰囲気になって…デートに出かけるのですが、その途中で、こどものことで緊急連絡が入ります。すわ!ってなったときに、「こういうときに、走れるような靴を履いているひとに横にいてほしい」というようなセリフがありました。ゆりちゃんは、久しぶりのデートだったので、ヒールの靴を履いていたんですよねえ…

緊急対応できるような装備で居続けるのか、それとも、「キレイ」な女性であるのか、というのも、ひとつの優先順位の問題ではあります。

いやでも、デートで走る、って設定もどうかと思いますよ、ねえ…。せめてそういうときは日常を忘れて、ゆったりした時間を送りたいわけですから。

…そういう優先順位も、ひとそれぞれ、重みづけが違うわけです。

たとえば、当直や自宅待機を繰り返していた勤務医の時代、わたしはお酒をほとんど飲みませんでした。「いつ呼ばれるかわからないから」です。

非番の日にお酒を飲むことが悪い、という話でもありません。その日呼ばれる可能性はほとんどゼロなわけですし。「わたしはそういう選択をした」というだけのことです。こういうところに、個人の優先順位が出てきます。

もちろん、個人の優先順位と、家族としてのそれ、がズレることもあります。じゃあ、それをどうすり合わせるのか?あるいは、ズレを放置するのか?も、他に優先されるものがあれば、あとまわしになります。

場合によっては、あまりにもタスクが多くなりすぎて、うまいこと優先順位をつけられないこともあります。そういうときにはどうするか?

目の前の、ともかくなんとか解決できるタスクから取り組む、がひとつの正解です。

散らかった部屋をどう片付けるか?ということの工夫をいろいろ読みますが、まずは小さく、片付けた空間を確保する、というのが大事です。いっぺんに何もかも片付けてしまうような、魔法の方法があるわけではないので、手の届くところから、少しずつ、というのが順序になります。