冬は気分が落ち込みやすい

寒くなってくると、布団から出てくるのがつらくなります。

身体もちぢこまりますから、気持ちも緊張しやすくなります。加えて、日光を浴びる機会が減ると、気分が落ち込みやすくなるのだそうです。

昔、ナショナルジオグラフィックだったか、何かの写真で、大きな照明をつかって、光を当てる、という治療を見たことがあります。となりの部屋いっぱいに光源があって、壁に1メートルくらいの穴をあけて、そこから光を当てる、というような写真だったので、「そこまでするの?!」とびっくりしたものでした。
北欧は、極地帯ですから、夏場は「白夜」と言って、日が沈まない時があるそうですが、逆に言うなら、冬には日が昇らない時がある、ということで、どうしても日光にあたる時間が短くなります。いきおい、気分が落ち込みやすい方が多くなるそうです。

光線療法、と言えば、わたしたち産婦人科医に馴染みがあるのは、新生児黄疸の治療ですが、可視光線を照射することで、他にもいろいろ効果がある、ということになっているようでした。

ちょっと探してみたらこんな研究所があるのをみつけました。「光線研究所・可視総合光線療法

こちらには

バーモンド大学で新生児黄疸症に光線治療の有用性が確認される
日光中の紫外線の照射を受けて体内でビタミンDが産生されることが確認される
光療法がうつ病治療に有効であることが確認される

と書いてあります。紫外線は可視光線ではありませんが…。

ビタミンDは、たしかに減ると、頑張りがきかなくなる、という話がありました。

生化学の研究をされていた田中冨久子先生は、「ビタミンDは実はホルモンです」という言い方をされています。

内分泌の理屈でいうと、体内で産生されて、分泌されるものが「ホルモン」ですので、ビタミンはその分類にはあたらないのですが、他のステロイドホルモンに極めてよく似た作用がある、ということで、もうこういう働き方をしている生理活性物質なら、もう、ホルモンと呼んでしまっても良いのではないか、という主張なのだと思います。

ビタミンDの話で言うと、

https://www.kameda.com/pr/ccmc/post_256.html

こちらのブログで言及されているように、ビタミンDの補充で、良性発作性頭位めまい(BPPV)の再発が減少した、という報告があるそうです。(ガイドラインにもビタミンDが低下している場合には補充することを推奨するような内容になってきた…そうです)

最近は日焼けを避けるようになってきました…わたしも夏場は日傘をさすようになりましたが、子どもたちの骨の成長にもビタミンDはとてもだいじで、欠乏すると骨の形成不全…くる病を発症することが時々あったりします。

日光浴、やっぱり大事なんですねえ。
のんびり日光浴できる時間も大事なのだろうと思います。