歯のくいしばりの影響
先日、目の緊張と眼精疲労による頭痛の話を書きました。
頭痛といえば、眼精疲労によるものばっかりじゃないですか?って、最近そう思うほどに、眼精疲労による頭痛の方も多いのです。が、こういうこめかみ(太陽穴)付近や、後頭部(天柱穴)付近の痛みだけではなくて、側頭部にもうちょっと痛みが広がるパターンの頭痛をおっしゃる方がいらっしゃいます。
側頭筋、と呼ばれる筋肉が、頭蓋骨の横に、厚さ5mmから1cmほどあるでしょうか、けっこうな幅に広がっているのですが、この筋肉が固くなることで発生する痛み、というのがあります。
側頭筋(ウィキペディアより)。頬骨の下を通っているのですが、ここ、けっこうな深さになります。全部じゃないですが、かなり分厚い筋肉です。
この側頭筋という筋肉は、だいたいは、歯を食いしばることで緊張します。
なので、ここに緊張がある方は、たいてい歯の食いしばりをされている、ということになります。ちょっと下、あごの近くにある咬筋、という筋肉の緊張も強くなっていることが多いようです。
眼精疲労による緊張に加えて、歯の食いしばりによる側頭筋の緊張があると、これらが複合することで、けっこうきつい頭痛になりますし、お互いに近いところにありますので、症状や緊張の影響がお互いにあるのだろうと思います。
実際に、目を使いすぎているときに、歯を食いしばる、という両方をなさっている方も見受けられます。そこまで頑張らなくて済む、ような生活をしていただきたいとは思うのですが…。
また、それとは少し違う症状の方もいらっしゃいます。いわゆる「耳閉感」というのは、なんだか、トンネルに入った時のような、あるいは飛行機に乗ったときのような、耳の違和感が続いたりする、なんていう症状のことをいいます。これは一般的には、つばを飲み込む、とか、あくびをする、ということで解消されることが多いのですが、こうした対処をしても、違和感がすっきりと解決しない、なんていうこともあったりします。
先日、そのような耳閉感がすっきりとしないまま続いている、という方がいらっしゃって、耳鼻科でも診てもらったそうですが、耳に異常はない、といわれたのだそうです。でも症状が残っているし…とおっしゃっていたのですが、みると、側頭筋と咬筋の緊張が強く残っておられました。これらを緩めてみると、少しではありますが、耳閉感が軽減したようです。この耳閉感が出現・軽減した理由や仕組みはよくわかりませんが、歯の食いしばりや咬筋の緊張がなにかの引き金になって、出現した症状なのかもしれない、と思っています。
歯の食いしばり、肩こりや不眠にも影響しているという話もありますし、意外とあちこちに影響がでることがあるようです。