気象病と頭痛のこと

クリニックを受診してくださる方が、ありがたいことに増えてきています。
まだ、時間に余裕がある日も多いので、一通り、背中と、お腹と、頭を直接触れて、いろいろと診せていただいていますが、時間が詰まってくると、全部はできなくなってくるのかもしれません。
最近、頭痛漢方外来をはじめたのですが、慢性の頭痛や、雨の日に出現する頭痛などのご相談を受けることが増えました。そういう方は「あたまがいっぱい」になっておられることが多いように見受けられます。
頭に触れて、なぜ、そこがいっぱいになっているのが分かるのか?とか、「あたまがいっぱい」というのは比喩的な表現であって、なんら物質的なものではないはずだろうに、なぜ、それが詰め込まれると頭痛になるのか?というのは、ちょっと考えると、ずいぶんと面倒くさい話になりそうです。ですが、この「あたまがいっぱい」になっておられる方が、さらに何かを詰め込もうとすると、頭痛になりやすい、という印象があります。
そして、天気が悪い日に頭痛になるのは、きっと、あたまの中が、むくむのだろうなあ、と思います。なぜ天気が悪いとむくみやすくなるのか、というのもこれまた難しい話にはなりますが、むくむと、そもそもいっぱいのところが、さらに密集した状態になりますから、ギューってなるわけです。そりゃ頭痛もでるよねえ…という気がしています。
たとえば、五苓散、という漢方処方がありますが、これが効くような気象病というのは、むくみの具合がきついタイプなのかもしれません。ちょっとむくむだけで頭痛が出るし、五苓散も効かない、という方もいらっしゃいますが、そういう場合、五苓散だけでは「あたまがいっぱい」を解消できるほど、むくみが引いていないのかもしれません。
以前も書きましたが、頭は「仮置き場」あるいは「作業スペース」です。
ですが、どうしても、その仮置き場にたくさんのモノを置いておられる方がいらっしゃいます。
あるいは、ずーっと使いっぱなしなので、仮置きの作業場を占拠している、というようなモノがあることもあります。
これらを手放していただくのが、頭が軽くなるためには必要な気がしております。
漢方薬では頭の痛みやめまいなどを引き起こすものを「頭風」などと呼びます。これは「内風」とも呼びますが、身体の内側で起こったいろいろで引き起こされた病因のひとつになります。これを終熄させるためにつかう生薬がいくつかありますので、それらを含んだ処方を提案することが多くなります。
もちろん、頭痛にもいろいろありますので、いちがいにこれだけが頭痛の原因だ、とは申し上げられませんが、みなさま、腹も身のうちと言うように、頭も自分の身体の一部です。どうか酷使をされている方も、ほどほどにしていただいて、休養や回復の時間を取っていただきたいものです。