目の緊張のこと

わたしの小さい頃の思い出話になるのですが…。
毎日の食事のことです。食事をするたびに、目がまわる、というか、酔うような気分になっていたんです。

似たようなことを経験された方、どのくらいいらっしゃるのか…わかりませんけれど、ご飯を食べるときに、お茶碗を持ちますよね。で、ご飯を箸ですくいます。すくったご飯を、口まで運びますが…この箸先のご飯をずーっと、睨んでいたんです。だんだん近づくと、ピントが合わなくなるはずなんですけれど、それをじーっと見ていた、というか、目で追いかけていたんです。

…どうやら、世の中の大人は、そこまで目で追いかけているわけじゃないらしい、っていうことに気づくのは、もっと大きくなってからでした。

口元に近い距離のご飯を頑張って睨んでいるわけですから、ものすごく、目が疲れるわけです。
毎回、毎食、目が疲れる…というか、酔ったような気分が残っていましたが、それが「目の疲れである」っていうことにも気づいていなかったのだと思います。

そういえば、小さい頃は、車酔いもきつい子どもでした。これも、目の緊張が強かった、という要素が引き起こしていた部分も大きかったのかなあ、と今になったら思います。

視力の話で言うと、父や兄弟は強い近視があったりしたのですが、わたしは良い視力を保っていました。遠くがよく見える、という意味では悪くないのですが、この、遠くにピントがあっている目で近くを見る、というのは、強く目に緊張を引き起こすことだったのです。

目を動かす筋肉のうち、「寄り目」をする筋肉の緊張が強かったのが、わたしの目の疲れ具合に反映されていたのだ、と聞いたのは、とあるメガネ屋さん(https://shikaku-joho.jp/)でのことでした。

当時はメガネ無しで生活をしていたのですが、この「寄り目の緊張が強い」のを矯正?するために、プリズム入りのメガネをあつらえて頂きました。
そうすると、今までよりも本を読むにしても、文字が入って来やすくなったのです。

一般的に、寄り目がきつすぎると、本来見るべきものより、やや手前で視点が交叉するようになります。本来見るべき場所はもうちょっと遠くにありますから、矯正するなら、少し遠くに視点の交叉が来るようにプリズムを入れる…という話になりがちなのかも知れません(まあそこまでして矯正しなくても良いくらいではあったのですが)。

ここに発想の転換があって。「頑張って寄り目をしている人の場合は、ちょっと遠くに視点の交叉が来るとなると、ますます頑張って寄り目をするようになる」というのがメガネ屋である田村さんの判断でした。なので、むしろもっと近くで視点が交叉するようにプリズムを入れることで、寄り目をする必要性が低下することで目の緊張が緩む、ということでした。

今では、メガネをかけているのが普通、になってしまいました(院長のプロフィール写真もメガネをかけたままの写真になっています)が、一応、裸眼で遠方視力は1.2から1.5くらいを保っています。最近は老眼が進んでしまって、メガネが無いと小さい文字が読めなくなってきましたけれど…。

同じように、遠くがよく見える目で、近くを見ていることが多い方の場合、やはり目に負担がかかっているのだろうと思います。上手に目を休ませて頂きたいものだと思います。
(10月10日、目の愛護デーにちなんで、目の話題にしてみました…)