適切な対価

以前「人生がうまくいくコツ」という記事を書きました。

人生がうまくいくコツ

少し前の話なのですが、SNSを眺めている時に、「しゃおり先生」という方のnoteが紹介されているのを見かけました。 「ズルいことを考えると、人生は本当にうまくいかない…

しゃおり先生、という方が「罪悪感を抱えて、自分を安売りすると、うまくいかない」という話を書いておられたので、そのお題をまるっと頂戴して、そこにわたしの文章を付け加えるかたちでご紹介したところでした。
罪悪感があると、どうしても、安売りしてしまいがちになります。

とはいえ、自分自身に、自分で適正な価格をつける、というのはとても難しいわけです。なので、このあたりは、本当はひとを頼った方が良いみたい。
客観的な評価をしてくださる方があると、本当に良いのですが。

ついつい、自分に自信がないと、安売りしてしまう。あるいは、過剰なサービスをしてしまう。
過剰なサービスをつづけていると、自分自身を消耗します。

ある方は、自分の自信のなさが「寂しさ」という形ででておられました。
自分自身の中にある「寂しさ」を埋めるために、他者の存在を求めるのですが、自分自身の中の「寂しさ」がどこかで負い目になっているのでしょう。
なので、サービス満点にして、ひとを引きとどめようとしてしまっておられたりするのだそうです。
サービス精神旺盛、と言ってしまえば、その通りなのですが、こういう「負い目」があって旺盛になっている時は、かなり、ご本人の中に「無理」が積み重なりがちです。そのあたりの見分けをつけて、整理してゆくことも大事なのかもしれません。

なかなか、このあたりが難しい話ではあるのですが。

以前、何件かの講演会の企画に関わることがありました。
参加費を無料にすれば、来てくれる方は多くなる…けれど、収益が上がりづらい…というか、完全に持ち出しですよねえ。
かといって、有料にすると、来てくださる方が減る…というあたり、いつもジレンマでした。
今でも解決できたとは思えません。常に、このネダンで良かったのだろうか…?って考えることになりがちです。

当院の健康教室は、無料にしてあります。ここは、いわば宣伝広告費を充当しているのだ、と考えています。(つまり、クリニックの宣伝をしているわけです)
無料と言っても、予約を頂きます。そんなに人数も多くありませんが、ありがたいことに、毎回、よい雰囲気で開催できております。
ちょうど今週末(2025年11月22日)にも健康教室を開催いたします。よろしければ。

街中で、共産党のポスターに「人件費の値上げを!」と書いてあるのを見かけました。

わたしも、クリニックを開業するまでは、単なる雇われの身分でしたから、気楽に「人件費あげろ〜!」なんてことを言ってられましたが、クリニックを開業して、経営する立場になると、売り上げとの睨めっこもせねばなりません。「人件費あげる」が、収入増加になる立場と、支出増加になる立場では話がぜんぜん変わってきます。
だれしも、収入増加は嬉しいけれど、支出増加は避けたい、というのが本音にあったりします。

立場によって、言葉から受け取る意味がぜんぜん違ってくるんだなあ…と、感慨深く眺めたものでした。

高くても良いモノ、というのが、じゃあ、黙っていても適正な金額でお買い上げいただけるか、というと、それもだんだん、難しくなっていたりするようにも感じます。
適正な金額、といっても、それが「誰にとって適正なのか」と考えはじめると、本当に難しいです。

わたしたちのどこかに、デフレ時代の感覚が強く残っているんでしょうか。
ここ1,2年でずいぶんと物価もあがってきました。お米なんかも3年前は5kg2980円、なんていうのが「普通」のネダンだったわけですが、実はそれがおかしかったのかもしれません。

診療報酬は、1点=10円という読み替えのシステムが残っています。これは、物価の変動に対応するため…と当初はそのように説明されていたようですが、1点=10円を、11円に計算し直す、というような話はその後、1つも聞きません。逆に「1点=9円にするんじゃないか」みたいな噂ばかり聞こえてきます。こちらも難しい話が山盛りになっている気がします。

なかなか、考えるほどに難しい話が出てくるような気がしますので、ぼんやりと「良い方向に進みますように!」と念じておくことにいたします。