「筋肉を増やしましょう」と言われたのですが…?

…と、そんなご相談を先日お受けしました。

関節が痛い、ということで、整形外科にかかったら、関節はぜんぜん悪くない、と言われたのだそうです。
じゃあ、痛いのはなぜか?どうやったら痛くなくなるのか?という疑問に対しては「筋肉をつけてください」と言われたのだとか。
その後、筋肉トレーニングをしているのだけれど、やっぱり痛みは続く…というのが、その方のお悩みでした。
痛い中で、真面目に筋トレされていたんだ…という部分に驚いたのですが、整形外科のお医者さんがおっしゃったことですからねえ。

さて。で、どうなっていますか?と拝見すると、関節周囲の筋肉がずいぶんとかたくなっておられました。
これはある種の過労のようにも見受けられます。
おそらく、ここの筋肉に負担が集中した結果、過労で緊張が続く状態になっておられたのでしょうし、その過労による緊張が痛みを誘発していたのではないかと考えられます。

大きな視点で言うなら、過労になってしまうのは、筋肉の量が少ないから、でしょうし、緊張が続く状態を解消するひとつの方法として、筋肉の量を増やしておく、というのは、良い提案なのかもしれません。
とはいえ、今の痛みが続いている状態で、そのまま筋肉に負荷をかける、というのは、あまりお薦めできる動作でもないように感じます。

筋肉は増やしてゆきたい、けれど、どうやったら筋肉は増えるのか?というところを考えていただくと、いったん酷使した筋肉が壊れて、再生するときに強くなるわけです。
酷使している筋肉で痛みが発生しているときに、そこをさらに酷使…ってけっこうつらいと思います。
そして、「再生するとき」ですから、しっかりと回復できる環境ができている必要があります。

まずは、メンテナンスをお薦めしました。
過労で緊張し、かたくなっている筋肉を緩めましょう。その上で、筋肉を鍛えるのであれば、適度な負荷をかけること、そして、使った筋肉を丁寧にストレッチ、マッサージなどで緩めること。この両方が必要になるのだと思います。
そうした作業を繰り返して、やわらかい筋肉が増えたなら、一カ所の筋肉の負担も減るでしょうから、過労も減り、緊張による痛みも減ってゆくのではないでしょうか。

そういうことをお伝えしました。

筋肉の緊張を緩める方法には、いくつかありますが、ストレッチも、マッサージもそれぞれ有効な場所がありますので、どうぞいろいろと上手にお使いくださいませ。
そして、痛くない状態を続けながら、筋肉を増やしていけたらよいな、と思っています。