ご縁が届くところ

先日、インフルエンサーの方がご紹介くださって…という話を書きましたが、その他にも少しずつ、当院を受診された方からのご紹介で、という形の、まさに口コミで、新しい方が来院してくださるようになってきております。
本当にありがたいことです。
そんな時に、インターネット系の営業のお声かけを頂きました。
なんでも、指定の単語で検索をかけると、かならず検索上位に表示されるようにすることができるのだ、という話でした。
それは、けっこうすごい技術なのだろうと思います。
ところで。
当院まではるばるお越しくださる方、「どこに行ってよいのか、今までわからなかった」というようなことをおっしゃってくださることも時々あります。
ご自身で「どこに行ったらよいのか」が分からない時、インターネットの検索では、どんな言葉を使われるのでしょうねえ…?
うちのクリニックのウェブサイトで発信している、「漢方」とか「更年期」という単語でみつけてくださる、というくらいであれば、それほど「どこに行ったらよいのか」とお悩みになるわけでもなさそうです。
当院の冒頭にも
不調があるのに「異常なし」と言われてお悩みの方。
とは書いているのですが…。
言葉の輪郭がはっきりとしているならば、そこまで悩まなくて良いのでしょう。
つまり、いわく言いがたい状況こそが、しんどい事情であって、それをどうにかこうにか、言葉にできるようなら、解決の道のりの半分くらいは済んでいる、ということでしょう。
自分が何に困っているのか、どうしてこんなにしんどいのか、とか、この困っている状況にどういう解決策があるのか、とか、そういう考えが浮かぶよりも前の段階として、
そもそも「自分が困っている」ということすら、言葉になっていないのかも知れません。
困っていそうな若者に「大丈夫?」って声をかけると、咄嗟に「だいじょうぶ」って返事が返ってくる、という話がありました。
「困っていない?」とか「大丈夫?」じゃなくて、もう少し、援助の手を伸ばしやすい、そういう言葉かけが大事になってくる、という話だったように記憶しています。
ひょっとすると、当院の診療も、そのような、言葉にならないところ、に響かせなければならないのかも知れません。
それを、インターネットという、言葉の世界でやろうと思うと、なかなか難しいわけです。
うまいこと、ご縁ができて、お手伝いできることがあれば、本当に幸いです。