めまいの話

先日、耳鳴の話をちょっと書いたところです。

耳鳴の話

どこかで書いていた…と勝手に思い込んでいたのですけれど、みみなりの話。書いていませんでした。今さらですが、書いておきます。 耳鳴のことは、まずは耳鼻科で相談して…

耳鳴・めまい、ってひとまとめにされることが多いのですが、そういえば、めまいについても、ブログには書いていませんでした。

めまいって、いろいろあります。

漢方で言うなら「水毒」って呼ばれる病態が、めまいを引き起こす、って言われています。だいたいメニエル病とか、って呼ばれるような状態が、そういうめまいに該当するようです。

良性発作性頭位めまい症、っていうのは、英語の頭文字でBPPVって書かれることもあるのですが、三半規管から小さい石がこぼれ出てきたことで発生するめまいなのだそうです。これは、その石を上手いこと戻す体操…というか、頭の動かし方…があって、それをやると、症状が出なくなるのだ、という話がありました。ビタミンDをしっかり摂取すると、このめまいは出にくくなるのだそうです。え?って思いましたが、ビタミンDは骨の代謝に影響しています。三半規管の中の石(耳石)も、カルシウムでできているので、なにか関係しているのかもしれません。

最近、ちょっと違った形のめまいが提唱されるようになったのだそうです。

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

なんだかアルファベットを4つ並べるのが流行りなんでしょうかしら。BPPVと似ているのはPが2つ並んでいるところあたり、でしょうか。

以下に、WHO による PPPD の概要(https://icd.who.int/en )を和訳する。 持続性の浮動性めまい、不安定さ、あるいはその両方が 3 か月以上続く。症状はほぼ毎 日存在し、多くの場合1日の中で悪化していくが、増悪・軽減もある。急な動きで、ある いは誘因なく悪化する。立位、動くものや複雑な視覚刺激、能動的あるいは受動的な動き で悪化するが、その程度は異なる。典型例では、急性・反復性のめまい疾患あるいはバラ ンス障害に続いて起こる。症状は間歇的に始まり、その後固定していく。徐々に発症する ことはまれである。

わたしは耳鼻科やめまいの専門ではありませんけれど、時々「それは更年期障害じゃないんですか」的な話で、めまいの方にお会いすることがあります。

更年期障害の幅が広すぎるのですが…。そんな時にいらっしゃった方も、結構視覚刺激でめまいが出現したり、自分が歩くだけでもめまいが出たりするのだ、という症状をおっしゃっていました。

それは大変、とは思ったのですが、ふと気づいたことがあって、その方に目の体操をやって頂きました。

眼球は左右ともそれぞれに6本の筋肉がついていて、これが微妙に動くことで目の動きを制御しています。顔が動いたり、身体が動いたりするたびに、おそらくは、その顔や身体の動きを吸収するような、咄嗟で、かつ極めて繊細な動きをしているのだろうと思いますが、この筋肉を一部だけ酷使すると、その繊細な動きができなくなることがあります。

たとえて言うなら、最近、スマホで動画撮影するときに、手ブレが小さくなるような作用のあるホルダーを使っておられる方がありますが、そのホルダーみたいな役割りをになっているのだと思います。

それが無いと、目に入っている画像情報がすごく動きますから、車酔いみたいなことが起こるわけです。いわば、自分の身体の動きに、目がついていけなくて、車酔いしている、という状態ではないか、と思うのです。

目の体操をやっていただいて、眼球を動かす筋肉が、まんべんなく動くようになると、このめまい症状は劇的に改善します。とはいえ、目の体操自体が、めまいを引き起こすこともあり得ますので、まずは朝の起床前に布団の中で、あるいは夜寝る前の布団の中で、というのがお薦めです。

診断には「3ヶ月以上続く場合」とか書いてありますが、症状が出てきたら、無理せず早めに目の体操をお薦めいたします。

なんとなく不調…って?

漢方の診療をやっていると、漢方薬メーカー、大手のツムラさんに、いろいろとお世話になることが多いのですが、そんなツムラさん、漢方をもっとたくさんの方に届けたい、…

目の体操のことはこちらにもちょっと触れましたが、院長のInstagram、リール動画(https://www.instagram.com/reel/DAfb8nVivK6/)にもありますので、ご参考にしてください。