サンタクロースと尻叩きじいさん

ヨーロッパの伝統では、クリスマスの日に、良い子の所にはサンタクロースがプレゼントを持ってきてくれる、というのと同時に、お行儀の悪い子のところには、「シラカバの枝(?)で折檻をする」というような「尻叩きじいさん」的な俗信があるそうです。
スイスでは「シュムッツリ」という名前の、黒ずくめの人が出てくるようです。
このあたり、日本での「なまはげ」みたいな雰囲気なのでしょうか。
昔読んだ漫画では、「プレゼントか、木の枝か?」と尋ねるその人に、母親が「折檻する木の枝を!」と言って、たくさんの枝を要望し…実はそれを暖炉の薪にするために貰っていたのだ…というようなエピソードがありました。なかなか薪にするほどたくさん、って話にはなりづらいような気もしますが…。
サンタクロースの実在を疑う方も増えて来ました。「いや、あれは親がやっているんだぜ」みたいなことを知った顔で言っておられる方も多いのでしょう。
煙突が無い日本の家屋は、はたしてどこからやってくるのか。そもそもキリスト教徒でもないのに…とか、フィンランドから日本の全ての家庭に…というか、日本に限らず、世界中の全ての家庭に、っていうのはやっぱりマンパワー的に到底間に合わないのではないか、とか、そういう「リアルさ」を追い求めると、よく分からないところも結構あります。
が、「返礼を求めない贈り物」という意味で言うならば、サンタクロースからのそれは、とても大きなギフトなわけです。
そして、返礼出来ない分は、「順送り」になるわけです。
幼い頃に受け取った、その「ギフト」の愛を、誰かに届ける、という形で、この季節の贈り物というのは続くわけです。
宗教が、周りのイベントを取り込んで、祝祭を作り上げることがあるなら、そこからこぼれた習慣を、宗教から離れて実践しても良いのかもしれません。
そういう意味で、よい贈り物の季節なのかもしれません。
皆様にも、どうか、愛が巡りますように。




