休暇の使い方

お盆の季節になりました。あちこちで、お盆のお休みのアナウンスを見聞きします。

お盆に限った話ではありませんが、休暇というものについての使い方に、思うことがあります。

平日、仕事がある中では行けないような、遠くに旅行に行ってくる、という方もけっこういらっしゃるでしょう。先日三連休がありましたが、早速、ずいぶんな渋滞になっていたようです。大雨もかさなり、新幹線も運休があったようで、思ったように移動できない、という方も多かったのかも知れません。

「お休みに入って、どこかに行こうと思うのに、そういう時に限って、体調がわるくなる」とおっしゃる方も、けっこういらっしゃるようです。

ボディートークの師匠である、増田明氏は、指導者の認定試験で「お正月に風邪をひく人が多いのはなぜか」という問題を出していました。年末年始にかけて、インフルエンザが流行るから…?

もちろん、そういう感染症の蔓延みたいなものもありそうですが、むしろ「仕事をしている時には身体が緊張していて、緩むことができないから」というのが実状ではないか、と考えます。

無理を積み重ねて、それを緊張とか責任感とかで覆い隠しているのでしょうが、休みが近づくと、ホッとします。身体がホッとしたら、今までの疲れがドッと出てきます。

そして、しっかり休んで回復したい、その時間がある、となると、そのタイミングで熱を出したりするわけです。

そこまで大きな疲労ではなくても、日々の緊張や過労をどこかで解消せねばなりません。休日というのは、身体を休めるための日であって欲しいものです。

とはいえ。

身体の状態を万全に…というのは分かっていても、気持ちがついていかないところもあります。

「気分転換」だって大事です。

平日の日中に「自分の時間が無かった」と感じる方は「代償性夜更かし」と呼ばれるような行動パターンを示すことが多いと報告されています。明日も朝から早いのだから、早めに就寝した方が身体は楽になる…ということを理解しつつも、ダラダラと夜更かししてしまう。この夜更かしを選択するところに「自己決定権」を取り戻す、という心の動きがあるのだそうです。

こちらは休暇というよりは「夜の時間」の話になるのですが、しっかり身体を休める日も大事ですが、自分の心を守ることもとても大事です。

夜更かし自体はそんなに褒められるものでもありませんけれど、だからといって、自分の心を守るための行動を、別の価値観で責めるというのも違います。

むしろ、開き直って、「よく自分の心を守ったな!」くらいの賞賛を与えても良いはずです。

自分の行動に対する罪悪感や、後悔を抱えていると、それはそれで自分自身への攻撃になりかねません。攻撃をすれば我が身が痛みます。

なるべく、自分の選択を尊重して、「よし、今日はこの方針で行くぞ」となったら、それを反省したり、後悔したりしない、という方が、健全な心理状態を維持できるように思います。

その上で。

毎日を気分転換だ、なんだ、と身体を酷使することだけで使うのではなく、身体の休息の時間も確保していただきたい所です。

他人のことを気にかけるのが習い性になっておられる方に多いのが「自分が我慢すれば…」という発想です。

自分の身体のメンテナンスを後回しにすることで、世の中のタスクを優先して片付けようという考えと行動は、本当に利他的であり、頭がさがります。

が、もう少しご自身の身体のことも考えていただきたい。

面倒を見る対象のひとりに「自分自身」を含めておいて頂きたいものです。

お盆だからといって、お休みが無いお仕事の方もいらっしゃいます。そういう方も、どうぞご無理なさいませんように。

くれぐれも皆様、どうぞ良いお盆の季節をお過ごしくださいますようにお祈りいたします。