緩むときに痛む

以前「ムチウチ症における症状の出現タイミング」ということで書いていました。
この文章2024年の10月ですから、クリニック開業のちょっと前に書いていた文章です。
ずいぶんと古くなってしまいました。
さらにもうひとつ前に「揉み返しの話とムチウチ症」として、書いています。
これらのブログ記事で書いていたのは、「受傷機転は一瞬であっても、その後に症状が続くことがある」という話と、「症状が出やすいのは、意外にも緩んできている時である」という話でした。
緩みはじめた時に、症状が出る、っていったい?と思われるかもしれません。
理由についてはいくつかの仮説で説明ができそうです。
ひとつは、「筋肉の緊張そのものが、神経の信号を遅らせている」という可能性。つよい緊張が、そのまま症状の認識を止めてしまっている、ということがあるのかもしれません。
そして、緩んできたところで、止まっていた信号が動いて、頭に届くと、不快な症状として認識される。
もうひとつは、「それどころじゃなかった」という可能性。
時々これもたとえ話で出しますが、様々な不調が気になっていたとしても、タンスの角に小指をぶつけたとたん、そうした「些細な」症状はすべて背景に消えてしまって、小指の痛み「だけ」が表に出てくる、ということがあります。
ヒトの不調が複数あった場合、表に出てくる症状は限られています。
強い緊張で、不快症状よりも強い症状がある場合は、このムチウチのような症状が「後回し」にされているのかもしれません。
さらに挙げると、「変化そのものが不快な症状として認識される」という可能性。つまり、肩こりが発生して蓄積する時と、解消して緩んでいく時と、にそれぞれ、変化がある、ということで症状が出てきている、ということがあるのかもしれない、ということです。
どうしてそんな、緩む時に不調がでるというような「仕様」になったのか、はわかりませんが、まあ、ムチウチの原因となるような衝撃は、極めて短時間で襲ってきます。その時に痛みを経験しないで済む、というのは、どこかで、痛みを先送りしていると言えるのかもしれません。
可能なら、そもそもムチウチにならずに済む人生を送りたいところではあります。
そして、この「ムチウチ症」の話を続けてきましたが、肩こりにしても、いわゆる筋緊張全般において、緩んできた時に痛む、などの不快症状が出てくる、ということはわりとしばしば認められるようです。
これを「好転反応」と呼ぶのでしたら、そういうものかもしれません。
できるだけ、そのような不快症状が出ないままで体調が上向くような、そんな診療をしてゆきたいとことですが、なかなかそうとばかりも言ってられないこともあり、みなさまにご迷惑をおかけいたします。


