臨床のこと

院長のブログですが、このところ、頑張って毎日、新しい記事を書いています。
おかげさまで、少しずつ読んでくださる方も増えてきている様子です。

毎日、様々な話題についてちょこちょこ書いていますのが、だんだん、書く題材がなくなってきて、次の記事に何を載せようか…ってずいぶんと考え込んだりしております。

漢方内科、を掲げているわけですから、漢方の話、もうちょっと書いたら良いのに…って思われる方もあるのだろうと思います。
私もそう思います。漢方の話、そして、臨床の話に、いろいろ参考になるような話題があるでしょうに…。

ですが、漢方の話で言うと「これこれ、こういう処方をしてみたところ…」みたいな話を書くと、「その処方をください!」っていう勢いでいらっしゃる方があったりするんです。
うーん…その処方があなたにあうかどうか、って考えると、お薦めできないよねえ…なんてこともけっこうあります。

じゃあ、こんな方に、こんなお話をしたよ、っていう、臨床の話はどうなのだろうか、って考えたのですが、これも、いろいろな事情で、「難しい」という結論にたどり着きました。

もちろん、1つは「プライバシー」の問題があります。
診察室、という、ごくごく限られた場所で口にしたことを、おおっぴらに公開する、ということは、どうしてもプライバシーの侵害になりかねません。

プライバシーの問題だけではなくて、診察室という場の特殊性があります。診察室の、臨床の場、というのは、ことばの密度が高まっている場所です。
ここでは、「一般的な事実」とか「科学的に正しいこと」を口にすることだけが求められているわけではありません。むしろ、そのような、「いつ、どこであっても正しい」ことばを用いるのではなくて、「今、このタイミングでしか正しくない」ことばを用いることが大事だったりします。

そして、そのような「賞味期限の短い」ことばを使った物語は、それもまた、賞味期限が短いわけですから、ブログのようなものに書いて、陳列しておくわけにはいかない、わけです。

そんな臨床でどんな話をしているのか…?ってのが興味ある方は、どうぞクリニックにお越しくださいませ。…っと、まだもう少しだけお待ちいただくことになるわけですけれど。