身体の声

にしむら漢方内科クリニックでは、「身体とこころの声に耳を傾けます」、と、ホームページの冒頭に書いています。

身体の声、って、聞いたことありますか?

わたしの師匠である増田明氏は、「ボディートーク」という体系を作りましたが、その「ボディートーク」というのはつまり、「からだはおしゃべりをしている」という意味です。

そんなに身体は「ものを言っている」のでしょうか?って話ですが、耳を傾けると、いろいろと聞こえてくることがあります。

ひょっとすると、身体の持ち主である、ご本人よりも、ある程度客観的に触れるひとの方が、そういう言葉を聞き取りやすい、のかもしれません。

身体が我慢してきたこと、頑張ってきたこと、そして無理してきたこと。

身体に触れることで、そういう話が見えてくることはしばしばあります。

そして、身体に出てくる、そういう記憶は、こころと強く結びついています。

言葉にならない言葉を、身体から汲み上げることで、整理できることがあります。

こころのあり方を、身体を通して診ることで、変わっていくことがあります。

それは「あなたご自身」が、思っていたこと、とは、ちょっとちがうのかも知れません。

でも、「からだ」や「こころ」の言い分というのを、少し受け止めて頂くことで、楽になることもあると思います。

大きな声で語ることだけではなく、声なきものの声に耳を傾けられる、ある種の静けさを、わたしのクリニックは、大事にしたいと思っています。