過多月経と月経困難症

にしむら漢方内科クリニックは、漢方内科・婦人科、の看板を掲げて診療しております。婦人科の内診台は置いておりませんので、器質的な異常の有無については、近隣の産婦人科医院を受診いただくようにお願いしております。
以前もちょっと書いたように思うのですが、生理の量が多い、って一体どのくらいからだと思われますか?
ものの本には、130g、とかって書いてあります。
これ、1回の生理(だいたい1週間くらい)で出る出血の量の「正常上限」なんだそうです。
どこかの国の婦人科の先生が、街の女性にお願いをして、ナプキンを配布し、経血の量を計測したのだとか。
で、これを超えていると、過多月経の扱いになります。
…とはいっても、そんな重さを毎回量るわけにもいかないですよねえ。
そんな時の目安のひとつは「レバーみたいな血の塊が出る」かどうか。
これがあると、まあ「多い」という判断になります。
最近は月経用品もいろいろ便利になってきました。市販のものにも「多い日用」なんて記載があります。
こういうものを使っておられても、頻繁に交換しないといけない、なんていう方は、やっぱり過多月経であるんだろうと思います。
過多月経の原因として、子宮筋腫などがある場合には、その治療をどうやっていこうか、と婦人科で相談していただくことになります。
月経の量が多くなると、生理痛もけっこうきつくなることが多いようです。
これは、出血の時にプロスタグランジンが分泌されるから、ということと、子宮の中に出血したものが、その後、子宮口を通って外に排出されるときに、痛みが出るから、ということが要因としては大きいみたいです。
過多月経を引き起こすような、器質的な異常があれば、その対処をしておいていただきたいところです。
ですが、月経の量は多いのだけれど、婦人科で超音波検査を受けても、なにも異常を言われなかった、という方、結構いらっしゃいます。
そういう方の中には、「熱がこもっている」ような場合が多いように見受けられます。
身体にこもった熱を、汗みたいな形で出せるなら、それはそれで平和なのですが、なかなか汗だけでは追いつかない時、この熱が血に籠もって、そのまま出血として出て行く、ということがあります。
のぼせた時の鼻血、なんていうのは、この典型的なパターンだったりするのですが、女性の場合は、生理的な出血があります。まさにこれこそ、月経なわけですが、熱がこもっていると、月経の量が多くなります。
ピルを内服しておられる方、ホルモン治療を受けておられる方の中には、月経を止めておられる方もありますが、そういう場合でも、身体に熱がこもってくると、不正出血が認められたりします。
不正性器出血があったばあいは、一度は癌の検査も受けておいていただきたいところですが、そんなに癌がしょっちゅうあるわけではありません。
「うーん。なんだか分からないけれど、不正出血だねえ」という話になることが多いのですが、漢方的にはこの熱を逃がすための出血だったりすることがあります。
こうした熱の原因は?というと、たいていは頭です。いろいろな考え事などで頭を使い過ぎて熱がこもってくる、というのが実状のようです。
こういう熱が原因で、月経量が多くなっておられる場合は、清熱剤を用いると、月経量が減ることがしばしば見られます。
一度、お試しいただけたら、と思っています。









