2025年1月の健康教室
ちょっと遅くなりましたが、先日(2025年1月25日)院内で健康教室を開催しましたのでご報告いたします。
お題は「肩こりと(いわゆる)五十肩」(仮)としました。ちょっと、カッコが多すぎますが、にしむらの性格が出てるなあ、と思っておいてください。
肩こりにつかう漢方薬、っていうので、メジャーなところだと、「葛根湯」ってのがあります。この葛根湯って、ツムラの漢方薬だと「1」の番号がついています。
ツムラの漢方薬の番号は、実は昔研究された方が、その研究ノートにつけた番号なので、なんの意味も無いのですが、まあいちばん最初に研究の対象になったのが、葛根湯だったという話にはなりそうです。
葛根湯、風邪だけじゃなくて、肩こりや乳腺炎にも使えたりしますから、幅の広い処方、と言えます。「葛根湯医者」なんていう落語もあって、誰にでも葛根湯を出すと言われる医者が出てきますが、それだけ、幅広い処方だったとも言えるわけです。
(いわゆる)五十肩について、わたしは、ずいぶん昔からみせてもらってきました。
五十肩の原因になるのは、肩甲骨の中央よりやや下、外側の小円筋とか棘下筋とかって呼ばれる筋肉のコリじゃないか、と考えています。
最近、若い方が肩こりをおっしゃったのですが、みせていただくと、この五十肩のシコリ、と呼ぶべきところにコリがあって、こちらをほぐすと、肩こりがずいぶんと楽になったのです。そこから、肩こりをおっしゃる方にいろいろ調べていますが、やはり、こちらを先にほぐす方が楽になられるような印象があります。
漢方薬では「二朮湯」という処方があり、これは朮(オケラ)が蒼朮と白朮という二種類の両方が入っている処方になります。
オケラは、水害見舞いや震災見舞いの時に送るものでもあったそうで、京都ではおけら火を持ち帰って年越し、年始のお雑煮をその火で炊く、なんていう風習もありましたが、抗菌作用があるそうです。いわば魔除け?的な意味合いもあるのだろうと思います。
二朮湯は、胃腸の調子を整えつつ、上半身の気と水が動くように働きかける処方ですので、適応病名は五十肩、ですが、ひょっとすると頭のコリとか、眼精疲労にも効くのかもしれない、と思っています。
眼精疲労には、目の体操もお薦めですのでお試しください。
…というような話を小一時間かけてしておりました。次回は2月22日の14時半から、また健康教室を開催予定です。次回のお題は「不眠と漢方」(仮)の予定です。